社名の由来



未知谷は「みちたに」と読みますが「いまだきわまるをしらず」と訓読みすることも可能です。どんなに非常識と思われることであっても、ありえないことはない。正しいと思われるものほど、まず疑ってかかりたいという姿勢を示そうと名称に否定語を入れたかったのが第一点です。否定語といっても「非」や「否」だと全否定のイメージが強いので避け、再読文字の「いまだ……ず」の「」をとりました。
 
いまだに知らない、これから知りたい、という意味をこめて、「」。
 
最後の「」という字は、老子が「道」の比喩によく使っています。清濁なんでも流れこんでくる混沌とした状況の中に身をおいて、しかもなお、安んずる気持ちをもつのが道である、と。さらに、「谷」は生み出すもの――女性器の比喩でもあります。
 
音としても、「i-i-a-i」と明るい響きを持っていることが気に入っています。
 
イメージキャラクターとしているガイコツが指さしている文字は「汝自身を知れ」「無知の知」などと邦訳されるギリシャ語です。ローマ時代には饗宴の招待状などに「いずれはあなたも屍となる身ですよ、生ある内に楽しみましょう」という意味合いで描かれたそうです。あやかりたい、あやかりたい――


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未知谷