未知谷の刊行物【海外文学】



 
笑いを売った少年
ジェイムス・クリュス 著 / 森川弘子 訳・解説
四六判304頁 2,500円(税別)
ISBN4-89642-097-7 C0097



まだ笑うことのできる全ての人々のために……
夢見ることが忘れられない少年達のファンタジー
ドイツ屈指の児童文学者クリュスの代表作、
三十余年ぶりの完訳による新訳
 
少年は最後にシャックリのついてくる、だれの心をも明るくしてしまうとびきりの笑いを持っていました。彼は3歳のとき、陽気で優しいお母さんと死に別れ、貧しい人々が暮らす裏通りのアパートに引っ越します。大好きな父さんは仕事で留守がちです。大人は皆そうですが、とりわけ訳の分からない継母や、わがままで意地悪な義兄さんとつらい日々を送っていました。日曜だけ、優しい父さんと競馬場に出かける日曜日だけは、まだ明るい笑い声を響かせていました。12歳のとき、その父さんまで事故で失ない、天性の明るい笑いを忘れてしまいそうになりました。父さんの葬儀の日に出会った謎の紳士と取り引きし、どんな賭けにも勝てる力、つまり莫大な富と引き替えに、その素晴らしい笑いを売ってしまいます。
やがて富は幸せをもたらさないこと、笑いこそ、人生に不可欠のものだと思い知った彼は、14歳で家を跳び出し、ハンブルクの港から、笑いを取りもどす旅に出ます…… ⇒[書評1][書評2]


目  次

プロローグ

一日目の話
可哀そうな少年/チェックの背広の紳士/得たものと失なったもの/売られた笑い/夜の尋問
15 
二日目の話
小さな百万長者/可哀そうな百万長者/最後の日曜日/リッケルトさん/人形芝居の劇場
51 
三日目の話
不思議な男爵/クレシミール/嵐の夜/不可能な賭け/ジェノヴァは大騒ぎ
88 
四日目の話
こわれたシャンデリア/金持ちの相続人/パラッツォ・カンディードにて/ジョニー/アテネでわかったこと
121 
五日目の話
メソポタミアの城/ヴァン・デア・トーレン氏/会議/忘れられた誕生日/赤いあずまやにて/マーガリン
162 
六日目の話
旅の一年/挨拶のできない再会/忘れていたふたつの顔/契約書だらけの誕生日
210 
七日目の話
秘密のメモ/裏階段/とりもどした笑い
247 
エピローグ
285 
訳者あとがき
289 

ジェイムス・クリュス [] (1926―1997)
第二次世界大戦の敗戦国ドイツの荒廃した大地を前に、クリュスは若者たちを戦場に駆り立てる不幸を繰り返してはならないと痛感した。そのためには、子どもたちに自分の頭で考えることを教え、寛容と共生の精神を育む必要があると判断し、児童文学の世界に跳び込んだ。
1950年ケストナーに才能を見出され『動物会議』のラジオドラマ化に成功。ラジオ、テレビ等で活躍する一方、1956年に処女作『ロブスター岩礁の燈台』を発表、世代を越えて支持を受ける。以後毎年新作を発表し続け、1960年ドイツ児童文学賞、1962年国際アンデルセン優良賞、1964年ドイツ児童文学絵本賞、1968年に本書を含むそれ以前の全作品に対して国際アンデルセン大賞が与えられた。現在ドイツではE・ケストナー、M・エンデとともに3大児童文学作家と遇されている。
 
森川弘子 [もりかわ ひろこ]
徳島県生まれ。広島大学文学部(独語独文学専攻)卒業。1974年東洋工業(現マツダ)株式会社に入社、1985年までドイツ語の翻訳に従事。1981〜82年ミュンヘン大学に留学、神話学・ホフマネスクを学ぶ。1990年より人形劇ペポのメンバー。共訳書は数冊あるが単独訳は本書が初めてとなる。

小社刊のジェイムス・クリュスの著作物
[ロブスター岩礁の燈台]
[涙を売られた少女]


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著  者
単 価
冊数
笑いを売った少年
ジェイムス・クリュス 著
2,500円(税別)

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