未知谷の刊行物【国内文学】



 
宮静枝詞華選集 anthologie
宮静枝 著 / 編集委員会 編
四六判上製304頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-271-9 C0092



北の血を愛した詩人の
生前刊行された10冊の詩集と
多く残された未発表詩から
同郷岩手の詩人たちが掬い出した全111篇
詳細年譜付

 
 
そのことについてはたれも語らなかつた
 
たれもが菜の花畑を征つたので
たれもが心に菜の花を抱いた
語れば消えてしまいそうで
たれもがそのことを語らなかつた
そのことを語らないまま
男たちは死んでしまつた
だから
今も男たちは
菜の花を抱きつづけているにちがいない
(「杳い花」/第二詩集『花綵列島』より)


目  次

序文 森荘祐

初期詩篇
 
『呼子と口笛』投稿短歌・詩
12 
『岩手詩集』
原頭挽歌/凍大根
19 
第一部
 
第一詩集『菊花昇天』
菊花昇天/まつり/白い風/樹液をもつ女/雪蛾/みちこ/原生林にて/文彦/菜の花短章/父 岩手山/チャグチャグ馬っこ/山にのぼって〈一つの記録〉/天の祭り/山の物語/中津川旅情の地図/すかんぽ/海のひぐらし
26 
第二詩集『花綵列島』
晩鐘偈/菜の花浄土/菜花黄昏/菜の花月夜と野の佛たち/十字の喪章/水の中の兵隊/還らぬ銃/軍馬/杳い花/海と菜の花/特攻花/香魚/天のぶらんこ/毬をかがる/猿おがせ
69 
第三詩集『北怨の賦』
青い雪蛾/遠くなる馬/竹心/遺骨収集船が還る/北怨雪譜/冬の旅/中尊寺残欠
87 
第二部
 
第四詩集『蝶の階段』
蝶の階段/船を刻む/インカ帝国三千年/女人画祭に/黙契の砂丘/密教の森
110 
第五詩集『無限花序』
火のうわさ/三行詩 風因風果の景/Fania(ファニア)うたいなさい/銀河鉄道 イーハトーブ発南十字星行/パヤチニカ/火を噴く山
126 
第六詩集『北の弦』
北限の海女/雪ぞ降る/百合信仰/ムグンファ/世界のたそがれ/癌病棟/七時雨
143 
第三部
 
第七詩集『山荘』
原始の林檎/悲しみの蝉/吹雪の光太郎/山荘物語/北への道/蝉を彫る/わが蝕/山荘生活設計図/智恵子の泉/白磁啾啾
164 
第八詩集『不犯の罪』
火の舟/光太郎の祭壇/駅馬車/地球は緑の星だから
185 
第九詩集『非在の椅子』
一行詩 非在の椅子/昴/角のない鬼/たいまなこ(大眼)/利休鼡/幼なかりにし/鮭笛/谷紫/もう一人の光太郎/桜の老木の下で/桜/光太郎断機の桜
198 
第十詩集『さっちゃんは戦争を知らない』
キシボ(鬼子母)/川の中の兵隊/火の歎き(東京大空襲)/丁海鎮/はるかなるコーヒー/幼きさきもりの星座/悲劇的な旅立ちのために/高村光太郎/幼い罪/さっちゃんは戦争を知らない
223 
補遺詩篇
還らざる五月/化成場の詩/寒菊(子に)/火山列島の秋/海高野/わたしはここにいる/啄木望郷の詩/杜陵城下の吟/農の讃歌 大いなる道/ふじ子まんだら/名をこそいとしめ/オルタンシア物語/賢治詩碑除幕の朝/除幕
235 
序文・跋文より
第一詩集『菊花昇天』森荘已池/第二詩集『花綵列島』宮静枝/第四詩集『蝶の階段』西三吉/第五詩集『無限花序』みやこうせい/第六詩集『北の弦』遊座昭吾/第九詩集『非在の椅子』高橋昭八郎/第十詩集『さっちゃんは戦争を知らない』 吉見正信
269 
宮静枝 年譜
288i 
愛と平和を求め文学ひとすじの道 森三紗
289 
ひたすらに…… みやこうせい
293 

宮静枝 [みや しずえ]
1910年岩手県江刺市生まれ。
石川啄木の短歌に魅かれ創作を始める。1933年から東京・渋谷に居を構え、2・26事件を目撃した詩(本書所収「原頭挽歌」)を発表。終戦を盛岡で迎え、2006年に逝去するまで、戦争の記憶と向き合いながら、凛として清々しい叙情詩を多く書いた。10冊の詩集、4冊の随想集、1冊の小説集を刊行。
 
編集委員会
吉野重雄/八重樫哲/東野正/藤野なほ子/斎藤彰吾/山本久美/大村孝子/森三紗


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宮静枝詞華選集 anthologie
宮静枝 著
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