

ロバは旅に出たからといって、
馬になってもどりはしない
――スペインのことわざより
いつの日か自転車で
ルート66を走ってみたい!
50歳の時からの夢は71歳で実現した
3ヶ月にわたる自転車の旅
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夢のつづき
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谷口江里也 著
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四六判上製160頁 1,600円(税別)
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ISBN978-4-89642-633-5 C0095
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カタルニア
アンダルシア
イビサ島
バリ島
プラド
バルセロナ
ストラスブール
サンパウロ……
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カタルニアの
廃墟のようだった街を
フィレンツェ出身の友人
マダムエルサが街ごと買って
修復した。建築家たちも
喜んで手を貸し
その街の住居を借りている……
それぞれに心に響く全12篇
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音楽の町のレとミとラ
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岩田道夫 著
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四六判上製144頁 1,500円(税別)
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ISBN978-4-89642-632-8 C0095
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「8歳から80歳までの子どものための」メルヘン
全20篇、挿絵36点
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ぼくは丘の上で風景を釣っていました。日がおちてあたりがぼんやり赤銅色になった頃 ようやく手ごたえがありました。えいっとつり糸をひっぱると風景はごっそり地面からはがれてきました。手づかみにしてぐいぐい引っぱると風景はやわらかいカーペットのように地面からするするすべりおちてぼくのポケットの中に入りました。
やがて地平線もはがれ 今度は空がはがれはじめました。それでもぼくのポケットはいっぱいにならないので もっとぐいぐいひっぱると とうとう空もみんなポケットにおさまりました。もう何にも入れるものがないので手を入れてみると いつのまにかポケットは底がぬけていました。
風景はどこに落ちたのだろうと思って あたりをみまわしましたが あたりには何にもなくて あたり≠ウえもありませんでした。(本書「コーダ」)
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酔藝
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石原悟 著
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四六判上製192頁 1,800円(税別)
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ISBN978-4-89642-631-1 C0093
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幻想文学の泰山
待望の第二作品集
酔藝 亀田鵬斎
異学の禁で五鬼に数えられた鵬斎は新境地を求めて旅に出る。
旅先の新潟で良寛と出会い……酔藝を得る……
いつのことか
花崎の部屋に突然隣室のタネさんが現れた。
タネさんは大先輩百フとカフカの二人短篇集を編むのだと言う……
放哉が飛ぶ
亡父が遺した放哉の短冊、少年時代に野球をして貰ったと云うが……
真贋を探るべく若狭へ日野川へ東京へと……
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アーミッシュの老いと終焉
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堤純子 著
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四六判上製272頁 2,700円(税別)
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ISBN978-4-89642-630-4 C0039
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自分らしく老い、自分らしい最期を迎えるには?……
アーミッシュの人々とその生活を調査して30年
自らの老いを意識し始めた時にも
アーミッシュの人々はどう対処しているのか考えました。
「主は与え、主は奪う」
皆がそれぞれの場所で、それぞれの役割を果たす
アーミッシュの高齢者たち
その生き方と考え方を詳細に紹介
われわれ自身の対処法にも充分参考になるでしょう
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祝 核兵器禁止条約発効
1945年8月9日 20代で被爆
長崎の被爆体験の語り部
教皇庁でローマ法王に謁見
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被爆を語ることへの逡巡から
繰り返してはならないと
使命感を覚え晩年まで
人前に立ったツヨさんの物語
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三月三日、降雪の桜田門外にテロ勃発
北辰一刀流免許皆伝の日比谷健次郎を
主人公に激動する幕末を描く歴史小説
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武蔵国足立の日比谷家は幕府特命の「内密御用家」として戊辰戦争で旧幕府百万両の埋蔵金に関わる。上野戦争で救出した輪王寺宮は東武天皇として即位、元号「延壽」を発布。だが、正史から抹消された。さらに、幕末の最高傑作として名高い雛人形がたどる運命とは…
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四季
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ミハイール・プリーシヴィン 著 / 岡田和也 訳
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四六判上製160頁 1,800円(税別)
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ISBN978-4-89642-627-4 C0097
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露西亜では「春の最初の月」とか「夏の最後の月」
といった表現が日常的に使われるようです
鳥は去り獣は眠り野も森も溶暗していく秋を四季の終幕
大地を雪で包んで新たな萌芽を待ち焦がれる冬を
四季の序幕とする、そんな露西亜特有の感性の
12ヶ月それぞれの自然を謳う168の掌篇
人に擬すれば、春の四月の日は、乙女が《諾(ダー)》と告げる日。自然も《諾!》と告げ、それから緑が甦ります。
自然のその日は、人間のその日と同様、魁いなる能に盈ち、攫める處が有れば、大地を覆せます。
気の弱い恟々した少年が、何か訊ねました。乙女は、何も応えず、ただ深く頭を低れました。彼が、もっと恟々して訊ねると、彼女は、もっと深く頭を低れました。そして、彼が、竟に己に打ち剋ち、相手の肩に手を置き、相手の方へ身を屈め、更に何か囁くと、彼女は、赧らんだ面を上げ、相手の首に抱き附きました。
四月のその一轉瞬に、凡てが、緑に染まり始め、私たちの今日は、その日であり、乙女が、誰かの首に抱き附き、それが、彼女の《諾》なのでした。今日は、自然が、私たちに《諾!》と応え、周圍の凡てが、緑に染まり始めました。
(本書「四月の日」より)
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チェーホフの山
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工藤正廣 著
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四六判上製288頁 2,500円(税別)
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ISBN978-4-89642-626-7 C0093
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人はなぜか生き急ぐ
だが死はいつも
生の中で成長することを
思い起こすべきだろう
生きることを大切に
それぞれの魂の時間の中で
人間らしく生きること
極東の最果てサハリン島は
太平洋への要衝地でもある
ロシアは一八五九年以来
徒刑囚を送り植民を続けた
流刑者の労働と死によって
育まれる植民地サハリンを
一八九〇年チェーホフが訪れた
作家は八千余の囚人に面談調査
人間として生きる囚人たちを知った
一九九X年ユジノ・サハリンスク
チェーホフ山を主峰とする南端の丘
アニワ湾を望むサナトリウムを
ガスパジン・セッソンが訪れる――
先住民、囚人、移住農民、孤児
それぞれの末裔たちを介し
人がその魂で生きる姿を描く物語
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ヘブライ文学散歩
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母袋夏生 著
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四六判上製288頁 2,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-625-0 C0098
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ヘブライ文学とは?……
イスラエル で ユダヤ人 によって ヘブライ語 で書かれた文学
とりあえずこう言えはしても、実際はもっともっとずっと複雑!
聖書の言語だったヘブライ語を
現代に蘇らせた天才言語学者ベン・イェフダ
その伝記が、本書著者の手で邦訳刊行されたのが30年前
以来、多くのイスラエル、
ヘブライ文学を
日本に紹介して来た
信頼の著者による
本邦初!
ヘブライ文学案内!!
言語について
ホロコースト文学について
最近の作品について
etc...
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アウラの方へ 美の断章
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柴橋伴夫 著
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四六判上製304頁 3,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-624-3 C0071
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約半世紀――北海道を中心に
〈かけがえのない光〉美を辿って旅をした
〈遊歩者〉として、その足跡を残す、美の断章……
柴橋伴夫評論集成、第1集
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山の子の
山を思ふがごとくにも
かなしき時は君を思へり
(石川啄木『一握の砂』)
啄木の人生に登場する五人の女性
〈節子、京子、智恵子、小奴、カツ〉
について、彼女たちから見える啄木の人生
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ロサンゼルスへの道
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ジョン・ファンテ 著 / 栗原俊秀 訳
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四六判上製256頁 2,500円(税別)
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ISBN978-4-89642-621-2 C0097
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アルトゥーロ・バンディーニのサーガ
幻の第一作、本邦初訳!
ページに叩きつけられた言葉の苛烈さ、奔放さ、
そして、そうした言葉に映し出される
透きとおるような誠実さ――(「訳者あとがき」より)
18歳、苛立ち、空回る概念、ピカピカのプライド、缶詰工場、嘘、涙……
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