未知谷の新刊案内

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チャイナウオッチ 矢吹晋著作選集
第一巻 文化大革命

矢吹晋 著
四六判並製函入400頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-671-7 C0322



2022年9月29日
日中国交正常化50周年記念出版
 
発刊の辞  著者:矢吹晋
 
新年号を令和と定めた政府は『万葉集』の「梅花の歌」序が典拠だと説明した。即座に『文選』と野次が飛んだ。『紫式部日記』を読むと、一条天皇后彰子に漢籍の個人教授を務めた事実が記録されている。『源氏物語』は「長恨歌」などを換骨奪胎したもので、漢籍という骨格を抜くと、日本が世界に誇るこの物語は成立しない。ここに和魂漢才を駆使した先人たちの努力の成果を読み取れる。隣の大国と一衣帯水の島国日本が二〇〇〇年にわたって独立を堅持しえた秘密はこの巧みな和魂漢才術に隠されていよう。天安門事件当時、日本政府は欧米諸国の対中制裁論を排して、日中関係の発展拡大のために知恵を絞った。日本にとって、隣国の政治・経済的安定こそが国益なのだ、と説いて経済協力を継続した。これは中国経済が市場経済へ飛躍する大きな踏み台となった。今年は不幸な日中戦争に終止符を打って国交を回復して五十年となるが、両国関係は冷え冷えしたものに一変している。一部の中国崩壊論者の願いにもかかわらず、中国はますます豊かになり国防力も増大している。ここに崩壊論に代わって脅威論が登場し、今や空前の賑わいぶりだ。私は田中角栄訪中の前後からチャイナウオッチを自らの仕事としてきたが、〈変わる中国・変わらざる中国〉を複眼で観察し直すために、旧稿を再読してみた。中国という巨龍は、観察者の思惑を遥かに超え宇宙まで飛翔する。そのとき、日本は糸の切れた凧の運命を避けるために何を選ぶべきであろうか?



 
コンテンポラリー・アート
デュシャン以後のアートとは

北山研二 著
四六判上製320頁+カラー口絵32頁 4,000円(税別)
ISBN978-4-89642-670-0 C1070




クリスト
ジャン・ティンゲリーとニキ・ド・サンファル
リチャード・セラ
ボルタンスキー
 
美術館やパブリック・アートへ
自然と足が向いてしまう
秘密を知ってワクワクする美術評論


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ポーランディア 最後の夏に
工藤正廣 著
四六判上製232頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-669-4 C0093



ほんのわずかであるにせよことばは
なにがしかを伝えることができる
そこにまことが含まれるかぎり
それが事実として生き残る――
人は産まれ所与の生をいきぬく
断片なりと他者に記憶されるなら
市井の小さな歴史といってよいだろう
一年のポーランド体験の記憶を
苛酷な時代をいきた人々の生を
四十年の時間を閲して語る物語
 
……ぼくは何かこう音楽的なポーランド頌歌を思っていた。できればこの物語から、音楽の旋律に似た美しさが、ポーランド語のことばからの感覚が、それとなく日本語で聞こえてくるようなことを思った。……しかし物語にもそれなりの重い主題がある。それはおそらくいつの時代であれ、愛と死ということになろうか。ぼくにはこの頌歌においてその主題を十分に歌いあげる力が不足だった。それでも、ロシアの詩人パステルナーク、ポーランドのロマン派の詩人ユリウシュ・スウォヴァツキ、ポーランド二十世紀の詩人チェスワフ・ミウォシュ、ヴィスワヴァ・シンボルスカなどの詩のことばに頼りながら、自分にできる限りの考えを探し求めた。……(「あとがき」より)



 
風雪という名の鑿 砂澤ビッキ
酒井忠康 著
四六判上製152頁 1,800円(税別)
ISBN978-4-89642-668-7 C0071



「ビッキ」は「カエル」を意味するアイヌ語。
子どもの頃からの愛称だった。
1931年、旭川でアイヌの両親の元に生まれ、
50年代上京後、澁澤龍彦を中心とする
文学サロンに出入りしながら彫刻を制作
78年、音威子府(オトイネップ)村へ移住し、
力漲る大きな木彫作品を多数作った。
なかば伝説と化した「砂澤ビッキ」と
長年、日本の美術をプロデュースし、
人間・ビッキの気に触れていた
著者との知られざる交流、その記録



 
月をみるケンタウルス 紳士の心得帳
法橋和彦 著
四六判上製232頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-667-0 C0095



馬の挙動、騎手の振る舞い、血統や体重の増減、馬場の状態……
あらゆるデータを蒐集して予想するレースの展開と出走馬の着順!
その光の奥に数字と札束しか見ないようでは紳士の遊びとは言えまい。
 
傍らに馬券、視線の先でゴールを駆け抜ける馬と騎手、そのとき心に浮かぶのは
長い人類の営み、個々の人間各々の業、喜び、美、文学に昇華された形而上学……
 
正統派ロシア文学者だからこそのディープなロシア文学への言及、
日本、中国、フランス、エト・セトラ、走る馬を見ながら専門を越え、
凡そ琴線に触れるあらゆる文学を想起する、前代未聞の競馬エッセイ――
77年〜79年日刊スポーツ連載

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さらば レフ・トルストイ
法橋和彦 著
四六判上製528頁 4,500円(税別)
ISBN978-4-89642-666-3 C0098



トルストイ研究の泰斗、圧倒的文学者の仕事
 
ガンジーはトルストイの檄文を受け、
非暴力・無抵抗でインド独立を実現させた
 
「植民地支配(悪)からの解放(目的)を善(手段)によって達成するたたかい」(本文より)
 
大事なことを、むかし読んでメモしたことも、すっかり忘れてしまう。それでいて何かのきっかけで鮮明に憶いだす。なんと不思議な光景が演出されることか。わたしはこうした別世界を今まで幾度となく観察した。
本書『さらば レフ・トルストイ』もわたしの「アーカイヴスの深い淵」より湧きでた、いわばその仲間たちの集団である。
(「さいごのページのために」より)



 
長塚節「鍼の如く」 旅する病歌人の滑稽と鄙ぶり
山形洋一 著
四六判上製256頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-663-2 C0095



長塚節の最後の仕事
連作詠全二三一首
「鍼の如く」すべてを注解
その詩学を解剖する一書
 
長くアララギ派の
「冴えの歌人・写生道の祖」と
仰がれて来た節の詠歌を
子規からじかに教えを受け
洒落っ気を誇る「根岸派」の
最後の歌人として
気ままに闊歩させ
その歌を解読!!

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美しい記憶 芝木好子アンソロジー
芝木好子 著 / 山下多恵子 編
四六判上製272頁 3,000円(税別)
ISBN978-4-89642-665-6 C0093



芸術・芸能への一途な憧憬、絡み合う男女の愛
 
主人公の芸に向かう態度がリアルであるのは、芝木がひとりひとりに歴史を背負わせているからである。彼女たちは時代を超えて脈々と受け継がれてきた美と対峙し、それを次の時代につなごうとしている。……
主人公が読者を引きつけるのは、一芸を貫く強さを持っているからだけではない。……芸に対してと同じく、恋に対してもいちずである。燃え立つような熱く甘い日々があり、ふとした感情のもつれから暗くせめぎ合う日々もある。時に共鳴し合い、時に不協和音を奏でながらすすんでいく、一筋縄ではいかない男女の関係が、芸と絡めて描かれる。
芸と恋の間で、……弱くも強くも見えるその様子は、「男」に振り回され、流されているようにも見える。しかしいつまでも男に寄りかかり、任せきってはいない。最後は自ら選んでいる。自覚と覚悟を持って、「女」を「芸」を生きているのである。――それが芝木の描く女性像である。そしてそれは文学に生きた作家芝木好子その人自身とも重なる。(「解説」より)



 
若き詩人への手紙
若き詩人F・X・カプスからの手紙11通を含む

ライナー・マリア・リルケ,フランツ・クサーファー・カプス 著 / エーリッヒ・ウングラウプ 編 / 安家達也 訳
四六判上製208頁 2,000円(税別)
ISBN978-4-89642-664-9 C0098



詩人、音楽家や画家はもちろん、
マリリン・モンロー、デニス・ホッパーからレディ・ガガに至るまで
世界中の表現者に影響を与えてきた
リルケの「若き詩人への手紙」
これまで割愛され、
謎に包まれていた
「若き詩人」からの12通の
全貌を本邦初紹介。
往復書簡の形で
第二の著作と言われる
リルケ書簡の新しい側面を提示!!

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パトリック・ピアース短篇集
パトリック・ピアース 著 / 高橋歩 訳
四六判上製144頁 1,500円(税別)
ISBN978-4-89642-662-5 C0097



1916年4月24日、アイルランドの民族主義者達は武装蜂起、
ダブリンの中央郵便局など、多くの公共建造物を占拠した。
総司令官としてパトリック・ピアースは
「アイルランド共和国の樹立宣言」を読み上げる。しかし……
反乱は一週間でイギリス軍に鎮圧され、彼は処刑された――
 
アイルランド(ゲール)語の普及にも尽力したピアースは
アイルランド西部コナハト地方を舞台に選び
ゲール語で物語を残した――作品中8篇を厳選
 
短い言葉の織りなす文章の一つひとつが
素朴な人々の慎ましい姿を映し出し、
アイルランドの風が滲みわたる――
何度でも味わいたくなる麗しい体験

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アスファール
イレーヌ・ネミロフスキー 著 / 芝盛行 訳
四六判上製272頁 2,700円(税別)
ISBN978-4-89642-661-8 C0097



ユダヤ人の中でも“異邦人≠セった――医師ダリオ・アスファール
民族間、階級間、世代間、先住民と移民、オクシデントとオリエントの対立
フランス社会の退廃と精神の荒廃、その真っ只中で、
彼は彼がそうでしかありえない形で真剣に人生を生きていた
理解していたのは同じ出自の、妹のような妻――
「俺はもう汚点と悪を発見せずに人間の魂を見ることはできないんだ……」
 
900人以上のユダヤ避難民を乗せた豪華客船がハンブルグを出航。寄港先のキューバ、乗客が移住を希望したアメリカでも着岸を拒否され、止む無くヨーロッパに帰還した避難民たちはホロコーストの犠牲となった。1939年5月、あの忘れがたい「セントルイス号の航海」事件である。同年9月、ナチスドイツがポーランドに侵攻を開始、第二次世界大戦が勃発。
この同じ1939年、パリでイレーヌ・ネミロフスキーは「ユダヤ人」を真正面から取り上げた二つの長篇を世に問うた。
本作はそのうちの一篇である。



 
夢のなかで
谷口江里也 著
四六判上製168頁 1,600円(税別)
ISBN978-4-89642-660-1 C0095



入江に向かって船が来る。私の足は砂地から離れない。カニは動いている、集っている。私は考えることもできる。赤い月も位置を変えた。カニのハサミが動き出す。招くように…
現実と空想が混合する、胡蝶の夢かと紛う15篇。



 
瞬間
ヴィスワヴァ・シンボルスカ 著 / 沼野充義 訳
四六判上製112頁 1,400円(税別)
ISBN978-4-89642-659-5 C0098



2002年のノーベル文学賞受賞後、初めて発表された詩集。
 
「未来」と言うと
それはもう過去になっている。
「静けさ」と言うと
静けさを壊してしまう。
「無」と言うと
無に収まらない何かを私は作り出す。
(「とてもふしぎな三つのことば」)
 
23篇の詩と解題、解説


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