未知谷の刊行物【海外文学】



 
私たちの間に――時間 (とき)
アデラ・ポペスク 著 / 住谷春也 訳 / 加藤周一 跋
四六判上製224頁 2,000円(税別)
ISBN4-89642-069-1 C0098



ルーマニア生まれの世界的女流詩人 二ヶ国語版最新詩集、本邦初の紹介
この小さな詩集の大きな世界の中にはすべてがある。愛と偽善、死と希望、それから苦い諧謔や呟きや叫びや夢想、そういうもののすべてが時間の相のもとにあらわれる。世界内存在は時間内存在である。しかし時が停り、「永遠の今」のあらわれることもある。そこでは自他の区別が消え、夢と現実の境がなくなるだろう。そういう経験の意識化こそが、またそれのみが、流れ去る時間の意味または無意味を、あきらかにするのである。(「跋」より)


目  次

引き潮 6/時間 8/啓示 10/ネクタルを顔にぶちまけた 12/私たちの間に――時間 14/つばさ 16/切望 18/悪霊 20/愛の歌 22/叫び 24/なにが残るの 26/言葉たちは飽き飽きした 28/ひとり 30/砂 32/賛辞 34/逃走 36/運命 38/毎日ひとつの芝居 40/沈思 42/道 44/敷居 46/寓話 48/私の歓びたち 50/天使ごっこ 52/弧 54/肖像 56/コリンド 58/ライフスタイル 60/ユートピア 62/パステル画 64/和解 66/安心 68/休息 70/在る 72/倨傲 74/ゴング 76/祈り 78/夢想 80/認識ふうに 82/チェス 84/書簡 86/散財 88/エロイカ… 90/永続 93/夜の叫び 96/こだま 98/油のように… 100/段階 102/歴史 106/誇り 108/祖国愛 111/踏板 114/統一の輪舞 119/広がり 122/夕べの祈り 126/エピローグ 129/鎖に繋がれた生き物 132/岸辺 136/私は傘を買いこんだ 140/おののき 144/待つ 146/釈放 148/深き淵より 150/きざし 153/万物流転 156/法悦 158/身元 160/スフィンクス 162/勝ちどき… 164/えんぴつ 168/霊感祈願 170/跪拝 172
 
自画像素描
177 
訳者あとがき
205 

215 

アデラ・ポペスク [Adela Popescu]
1936年2月7日、ルーマニア南部テレオルマン県のベウカ村生まれ。高校時代から詩を書き始め、1953年文学コンクール受賞後、作家同盟の“ミハイ・エミネスク”文学文芸批評学校を卒業。「アル・サヒア映画スタジオ」、週刊『アルビナ』編集部等で働いた後、ブカレスト大学文学部へ編入し、1956年に作家・政治家であるジョルジュ・ムンテアンと結婚。夫とともに1959年卒業している。1975年フランスで第1詩集『私たちの間に――時間』を2カ国語版15篇で出版。以後、詩集の書名はすべて『私たちの間に――時間』で、一つの原点からの増殖を重ねている。第2詩集は1992年アメリカで8カ国語版25篇で、第3詩集は1998年ルーマニア語版のみ53篇で出版。日本語対訳版の本書、第4詩集は全72篇からなっている。スペインのノーベル文学賞作家フェデリコ・マヨールも「固有の詩的価値」として評価するなど、国内外でも高い評価を受けている傑出した詩人のひとり。


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アデラ・ポペスク 著
2,000円(税別)

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