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未知谷の刊行物【国内文学】 |
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ふるきをたずねて新しきを知る、とは言え、1868年の明治維新と1945年の第二次世界大戦敗戦と、二度の所謂西ヨーロッパ近代化を経た現在のわれわれにとって、江戸以前の歴史はひどく遠ざけられているのではないでしょうか。「面白の儒学や武備の廃らぬほど、面白の好色や身を損ねぬほど」といった武将の家訓から戦国武士の常食・常衣、虎狩りの実録、平安朝の貞操観、硝子の伝来、果ては天ぷらの由来まで、決して歴史教科書には載らないであろう歴史、該博群を抜く菊池寛が史実から選り抜いて集大成した逸話集です。五月蠅と言われても致方ないほどにルビを多用して、読み易くなっています。 本書は史実を広く集め、逸話仕立てにして短く書いたもので、一見、雑駁に見られがちである。しかし、後代のわれわれにとつて、歴史が所詮断片でしかないのは残された史実が断片でしかないからで、それをどう繋ぎどう再現してみせるかは受けとる人間の如何による。（略）小林秀雄がそれを読んで大いに我が意を得たといふのは、歴史の本質についての問題の核心をどこかで物語つてゐることではなからうか。それにしても、生前つひに菊池はこの手の歴史随想集を刊行しなかつた。氏の歴史知識の豊富が氏の良識を培つたと思ふこと多大なのである。（「あとがき」より） |
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目 次 |
頁 |
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南蛮誓詞 |
7 |
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読史余録 坂崎出羽守／越後少将／唐人／駿河大納言／稲富喜太夫／浪人／親殺し／親心／名君／池田光政／徳川頼宣／徳川光圀／食膳／馬琴と訪客／大名と駕籠／英文の日記／信長 秀吉 家康／夜発お蝶貞義の事／信綱と地震／堀田正盛／堀部弥兵衛／遇不遇／平維盛／前田慶治／尾関忠吉 |
9 |
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炉辺雑話 誰が一番強いか／後代の人気／誰が一番名君か／天下取りの話／秀吉の度量／板倉重宗／「広益俗説弁」再弁 |
31 |
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伊藤博文その他 |
77 |
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炉辺雑話 |
82 |
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雑話集 |
90 |
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読書余録 |
96 |
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戦国武士道譚 堀秀政／竹中半兵衛重治／唐団扇の大指物／一番槍の譲り合い／槍半蔵／向井与左衛門かえり感状／家康の指胼胝／田螺占い／気転の二番槍／馬糞の妙薬／城乗りの不覚／戦国武将の質素な服装／三木牛之介と和歌／後藤又兵衛と亀の甲／家康の奮戦／光秀の警句／加藤忠広と飯田覚兵衛／宍耳太郎南大門一番乗り／謙信の軍装／坪内玄蕃戦場の心得／小田切所左衛門と弾丸／安藤彦四郎討死の事／北條綱成地黄八幡の旗を捨る事／家康の愚痴／山内治太夫返し矢の事／大久保七郎右衛門の事／野矢甚右衛門功名の事／秀吉の手紙／家康馬術の誉ある事／家康物具の物語／清正の花押／黒鳥毛白鳥毛／信長の道楽／鳥井源八郎士志を論ず／本多正重の事／陣中の狼狩り／お茶の水の堀割／酒屋と塙団右衛門／政宗と忠勝の相撲／新納武蔵守忠元の即興／厠の推挙／雨濡の陣羽織／掛れ柴田／輝政の短身／道雪突撃の音頭／鹿角の冑／元就の訓辞／信玄の弁護／謙信の帰陣／家康の不寝番／槍の錆／秀吉の九州征伐評／浦兵部功名の事／勝家先陣の将となる事／秀吉刀の持主を中てる事／謙信の猛勇／池田の使者順慶を試る事／家康竹麾を作る事／毛利元就訓誡の事／家康新領土巡視の事／徳川初期の食物／福島家の侍大将が事／重過ぎる軍装／道灌蓑を乞う事／大津の死骸返し／軍巧者の言葉／直江山城と小判／氏郷の眼識違い／信長の紹介振り／則武三太夫の功名／兜の名／組討巧者の森本義大夫／信玄の自戒／太閤の薨去を知る事 |
105 |
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歴史雑筆 鉾と硝子／上古中世の人物／渡辺党／酒話随筆／おあんはなし／猟虎実録／蜂谷半之丞と河井正徳／永井善左衛門と岡野左内／武将の家訓と壁書 |
156 |
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今昔談 謙信の恋人／昔の大臣の俸給／遊女／和泉式部／平安朝の貞操／詐欺／蜀山人の壁書／伊藤博文の憂慮／発表の苦心／予想屋／昔の競馬／牛車 |
193 |
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あとがき――郡司勝義 |
207 |
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菊池寛 [きくち かん] 本名ひろし。 1888年高松市生れ。京都帝大卒。 芥川龍之介らと『新思潮』に参加し、後に『文藝春秋』を創刊する等、日本近代文学の黎明期に博覧強記の小説家、劇作家として活躍。 小説に「恩讐の彼方に」「真珠夫人」等、戯曲に「父帰る」等多数がある。 1948年没。 |
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小社刊の菊池寛の著作物 [剣聖武蔵伝] |
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