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飢餓のアイルランド ジャガイモ飢饉一八四五〜四九
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リアム・オフラハティ 著 / 荒木武伯 訳
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四六判上製477頁 5,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-712-7 C0097
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19世紀のアイルランドは英国領であった。宗主国の圧政でアイルランドの農民は穀物や家畜の大半を換金して地代とした。ただジャガイモを主食に農民は生きる。気温の上昇と湿気で活性化するブライト、所謂胴枯れ病でジャガイモ飢饉が発生。渡航費用を捻出できたひとびとは移民し、残るひとびとは飢えと病いで死亡した。前者で約二〇〇万人後者で約一〇〇万人、全国民の四半分を失う未曾有の大惨事。甚大な損害を被った西部の寒村を舞台に、小作農キルマーティン一家の視点からアイルランドの歴史に深い傷跡を残したジャガイモ大飢饉を描いた傑作群像劇!
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目 次
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頁
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地図
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2
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主要人物
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4
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本編
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9
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解説
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461
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リアム・オフラハティ [Liam O’Flaherty]
1896年、アイルランド西部のアラン諸島に生まれる。アイルランド文化を色濃く残す島で、アイルランド語と英語の二言語に囲まれて育った。進学で本土に渡るが、第一次大戦に志願兵として従軍して負傷し除隊、その後、各国を放浪した末、1923年より本格的な執筆活動を始める。主に英語で作品を発表し、長篇小説、短篇小説、戯曲、ルポルタージュなどジャンルは多岐にわたるが、中でも短篇の名手として評価が高く、理想像ではない過酷な農民、漁民の暮らしを描いた作品や、動物の生の一瞬を切り取った掌篇の数々がある。最も活躍した時期は1920〜30年代で、長篇『密告者(The Informer)』はジョン・フォード監督によって映画化もされた(邦題『男の敵』)。本書『飢餓のアイルランド ジャガイモ飢饉一八四五〜四九』(原題Famine)はオフラハティ長篇の最高傑作とされる。1984年死去。
荒木武伯 [あらき たけのり]
1972年、広島市生まれ。東京外国語大学英米語学科卒。英語教育に携わる。大学時代にアイルランドの文化と出会い、その独特な歴史・文学・音楽に深く興味を抱く。その後、何度か現地を訪れ、アイルランドの風土や伝統に親しみ、未訳のアイルランド小説を日本に紹介できないかと考えるようになる。趣味としてボタン・アコーディオンでアイルランド伝統音楽を演奏する。
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