未知谷の刊行物【海外文学】



 
エシュティ・コルネール もう一人の私
コストラーニ・デジェー 著 / 岡本真理 訳
四六判上製320頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-592-5 C0097



第一次世界大戦、社会民主政権誕生、共産主義革命、王政復古と国土分断、赤色テロ、白色テロ…、この激動の時代……!民衆に勇気と力を与え、権力と闘い、人々を導くことが作家の役割との伝統あるハンガリーで、1933年、コストラーニが大批判に晒されながら示した最後の傑作長篇。
 
この世のあらゆる混乱は寄ってたかって秩序を生み出そうとするから起こるし、
埃は誰もが寄ってたかって掃き集めようとするから舞い上がるんだ。
わかるだろう、
世の中の諸悪の根源は皆がまとまろうとすること、
幸福とはそれぞれがばらばらなことであり、
偶然であり気まぐれであることなのだ。
(本文より)
 
*ハンガリー・日本外交関係樹立150周年記念。本書はハンガリー外務貿易省Publishing Hungaryプロジェクトの支援を受けています


目  次

第1章 作者が主人公を紹介し、正体をお披露目するの巻

第2章 一八九一年九月一日、人間社会の仲間入りをするの巻
27 
第3章 一九〇三年、初めて少女にキスされるの巻
38 
第4章 幼なじみと「正直者の町」へ出かけるの巻
77 
第5章 一九〇九年九月十日、モダニズムの詩人たちが蘇るの巻
86 
第6章 大いなる遺産を手に入れるが、金の呪縛を思い知るの巻
113 
第7章 蜂蜜入りの焼き菓子に似た少女あらわるの巻
125 
第8章 哀れな新聞記者が精神病棟にぶち込まれるの巻
130 
第9章 言語カオスの甘美な禍に酔いしれるの巻
156 
第10章 金持ち百姓の娘が井戸に身投げしたのち嫁に行くの巻
166 
第11章 世界一の高級ホテルについて語るの巻
181 
第12章 留学時代の不滅の恩師が眠り続けるの巻
195 
第13章 運に見放された未亡人を結局殴ってしまうの巻
231 
第14章 悪い道に逸れた翻訳家の犯行が暴かれるの巻
248 
第15章 息子について悩み、新作の詩について悩むの巻
254 
第16章 水から引き揚げ、水に突き落とすの巻
263 
第17章 ひと言伝えに立ち寄るの巻
277 
第18章 ありふれた路面電車の風景、そして別れを告げるの巻
288 
訳者解説
295 

コストラーニ・デジェー [Kosztolányi Dezső] (1885〜1936)
ハンガリーの詩人・作家・評論家。オーストリア・ハンガリー二重君主国のサバトカ(現セルビアのスボティツァ)に生まれる。詩集『哀れな幼き子の嘆き』(1907年)で文壇デビューし,生涯にわたり多数の新聞雑誌で文芸記者として詩・小説・評論を発表。とくにハンガリー・モダニズム文学の礎を築いた雑誌『西方』の第一世代を代表する作家の一人。後年、ハンガリー・ペンクラブ会長も務める。代表的な長篇小説に『ネロ、血に染まった詩人』『ひばり』『エーデシュ・アンナ』『エシュティ・コルネール』など。
 
岡本真理 [おかもと まり]
一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。大阪外国語大学助手を経て、現在大阪大学大学院言語文化研究科教授。研究テーマは近代ハンガリー文学史・民族文化運動史。主な著書:『ハンガリー語』(大阪大学出版会、2013年)、『ヨーロッパ・ことばと文化――新たな視座から考える』(共著、大阪大学出版会、2013年)など。訳書:『ヴォブルン風オムレツ』(コストラーニ・デジェー、未知谷)。

小社刊のコストラーニ・デジェーの著作物
[ヴォブルン風オムレツ コストラーニ・デジェー短篇集]


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エシュティ・コルネール もう一人の私
コストラーニ・デジェー 著
2,500円(税別)

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