未知谷の刊行物【国内文学】



 
よみがえる荒地 戦後詩・歴史の彼方・美の終局
山下洪文 著
四六判上製736頁 8,000円(税別)
ISBN978-4-89642-614-4 C0095



それぞれの自我と主体――
荒地派の主要詩人8人を
包括的に網羅して論究
なにより現代詩は
ここからの再出発を
希求している……
 
戦争は「光」ではなかった――
一九四五年八月十五日、大日本帝国が滅亡したその日、若き詩人たちは「荒地」に立ち尽くした。青春のすべてを賭けた戦争は、心身に消えない傷を残した。彼らは、その傷痕をひたすらに見つめ、そこから滴り落ちる血で詩を書き始めた。
本書は、戦後詩の始まりを告げた荒地派の営為を克明に辿り、その真の意義を現代に突きつけるものである。鮎川信夫、北村太郎、木原孝一、黒田三郎、田村隆一、中桐雅夫、三好豊一郎、吉本隆明……その詩、思想、人生のすべてが、いまよみがえる。


目  次



言葉の白装束――鮎川信夫論

第一節 残骸のなかの生――「死んだ男」論 11
第二節 夕陽とネクロフィリア――亡姉詩篇論 19
第三節 橋上の神――「橋上の人」論 24
第四節 「空白」から「死者」へ――「淋しき二重」から「冬物語」まで 46
第五節 歴史の境界線――病院船詩篇論 66
第六節 遠ざかる死者――「もしも 明日があるなら」から「木枯の町にて」まで 72
第七節 「戦争」の最後の言葉――「兵士の歌」論 78
第八節 自然との邂逅――「喪心のうた」から「000年」まで 84
第九節 終局の地――「海の変化」論 95
 
死せるものたちの瞳――北村太郎論
107 
第一節 壊された時間のなかで――「墓地の人」「やさしい人」「地の人」論 109
第二節 ノイズとモノクローム――「おそろしい夕方」から「悲しき夢」まで 123
第三節 世界の幽霊――「夏の中心」から「冬の目」まで 133
第四節 二つの「荒地」――「終りのない始まり」から「死の死」まで 145
第五節 大いなる滅びへ――「夢から夢へ」から「港の人」まで 153
 
光と慟哭――木原孝一論
169 
神でもなく獣でもなく、人でもなく――黒田三郎論
211 
第一節 失われた記憶――戦後詩の原風景 213
第二節 血と空白と――『失はれた墓碑銘』論 217
第三節 「私」の跡地で――『時代の囚人』論 242
第四節 世界との訣別――『ひとりの女に』論 253
第五節 日常の呪縛――『渇いた心』から『小さなユリと』まで 261
第六節 テキーラと羊と紙風船――『もっと高く』から『ある日ある時』まで 270
第七節 第四の生――『羊の歩み』から『死後の世界』まで 285
 
帝国の秋――田村隆一論
301 
第一節 死と美の結節点――「正午」論 303
第二節 もう一つの世界史――『四千の日と夜』論 314
第三節 滅びゆく「荒地」――「帰途」から「恐怖の研究」まで 340
第四節 増殖する緑のなかで――「暗緑色の遠心分離器」から「毎朝 数千の天使を殺してから」まで 359
第五節 新しい傷痕――戦中詩篇から「ぼくの聖灰水曜日」まで 373
 
十三月の詩――中桐雅夫論
385 
壁の中の人――三好豊一郎論
429 
透明な嵐のなかで――吉本隆明論
467 
第一節 死んだ「私」との対話――吉本隆明と「荒地」初期同人 469
第二節 神の息絶えた地で――『固有時との対話』論@ 475
第三節 極限の詩――『固有時との対話』論A 502
第四節 新たなる「私」へ――『転位のための十篇』論@ 528
第五節 歴史への裁き――『転位のための十篇』論A 546
第六節 「とほく」への意志・大衆の原像――「涙が涸れる」から「恋唄」まで 572
第七節 終焉と再生――「告知する歌」論 592
第八節 神話の創造――「島はみんな幻」から「〈演技者の夕暮れ〉に」まで 602
第九節 沈められた心――「ある抒情」論 615
第十節 世界の死・死の世界――「〈農夫ミラーが云つた〉」から「字画の挿話」まで 625
第十一節 言葉の始原・始原の言葉――「声の葉」から「深さとして 風のいろとして」まで 636
第十二節 無の光――『記号の森の伝説歌』論@ 648
第十三節 世界との和解――『記号の森の伝説歌』論A 672
第十四節 荒地への旅――「十七歳」から『言葉からの触手』まで 696
 
参考文献一覧
710 
あとがき
717 

山下洪文 [やました こうぶん]
1988年、岩手県生まれ。日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程修了(芸術学博士)。詩集『僕が妊婦だったなら』(土曜美術社出版販売)、評論集『夢と戦争 「ゼロ年代詩」批判序説』、編著『血のいろの降る雪 木原孝一アンソロジー』(いずれも未知谷)。現在、日本大学芸術学部文芸学科助教。

小社刊の山下洪文の著作物
[夢と戦争 「ゼロ年代詩」批判序説]
 
小社刊の山下洪文関連の著作物
[血のいろの降る雪 木原孝一アンソロジー]


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よみがえる荒地
戦後詩・歴史の彼方・美の終局
山下洪文 著
8,000円(税別)

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