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ザ・カスタム・ハウス 税関
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フランシス・キング 著 / 横島昇 訳
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四六判上製672頁 6,000円(税別)
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ISBN978-4-89642-764-6 C0097
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一九五九年、著者初来日の印象は西欧的秩序との隔絶、暗さだった。暗い国のおぞましさを払拭すべく執筆、穢れの客体化が始められた。ことの性質上、全体の構造よりは部分自体の独立した興趣が優先し、排除すべき事態が網羅されている。かくして本長篇は短期に完成した。更に西欧とは規範を別にする秩序、魅惑的悍ましさに気付いた著者は永住に揺れる程の日本愛に到った。
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目 次
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頁
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第1章
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5
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第2章
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29
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第3章
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63
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第4章
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79
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第5章
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97
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第6章
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127
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第7章
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155
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第8章
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183
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第9章
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212
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第10章
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239
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第11章
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257
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第12章
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273
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第13章
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292
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第14章
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311
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第15章
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327
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第16章
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353
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第17章
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395
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第18章
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410
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第19章
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437
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第20章
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452
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第21章
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476
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第22章
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513
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第23章
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533
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第24章
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561
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第25章
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578
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第26章
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594
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第27章
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604
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解説 フランシス・キング 果てしなき夜の旅人
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617
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訳者あとがき
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661
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フランシス・キング [Francis King] (1923〜2011)
1923年スイス生まれ。幼年時代を父親の勤務地インドで過ごす。オクスフォード大学で古典学を専攻、学生時代『暗い塔へ』で文壇デビュー。1949年よりブリティッシュ・カウンシルに入り、イタリア、ギリシア、エジプト、フィンランドに赴任、行く先々の国を舞台に小説を発表する。1959年より63年までブリティッシュ・カウンシル京都支部長として日本に滞在。日本勤務を最後にブリティッシュ・カウンシルを去り、帰英して文筆に専念。代表作に日本を舞台にした『ザ・カスタム・ハウス』のほか、1951年『隔てる川』(サマセット・モーム賞)、1964年『日本の雨傘』(キャサリン・マンスフィールド短篇賞)、1970年『家畜』、1978年『E.M.フォースター評伝』、1983年『闇の行為』(「ヨークシア・ポスト」小説部門年間最優秀賞)などがある。1978年から85年まで英国ペンクラブ会長、翌86年から89年まで国際ペン会長を務める。長年にわたるその優れた業績により、1985年、英国王室よりコマンダー勲章(the C.B.E.)を、2000年、英国ペンクラブより金ペン賞を、そして2011年、王立文学協会よりベンソン・メダルを授与される。2011年7月3日、ロンドンにて死去。
横島昇 [よこしま のぼる]
1953年京都府に生まれる。1976年京都外国語大学卒業、80年同大学院修士課程修了。著書に『フランシス・キング 東西文学の一接点』(こびあん書房、1995)、『ガラシャの祈り』(未知谷、2019)、『薔薇の肖像』(未知谷、2023)。訳書にフランシス・キング『日本の雨傘』(河合出版、1991)、郡虎彦『郡虎彦英文戯曲翻訳全集』(未知谷、2003)、フランシス・キング『家畜』(みすず書房、2006)、フランシス・キング『感情教育』『炎の恋人』(未知谷、2019)がある。
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