未知谷の刊行物【国内文学】



 
増補新版 海の蠍 (さそり)
明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜

山下多恵子 著
四六判上製304頁 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-517-8 C0095



シルレア紀の地層は杳きそのかみを海の蠍の我も棲みけむ 明石海人
 
時代も生い立ちも異なる明石海人と島比呂志。二人は〈ハンセン病〉
という一点で結びつく。〈癩〉と刻印されて療養所に強制隔離され、
想像を絶する苦痛と孤独と死の恐怖の中で彼らは言葉をつむいだ。
社会的アイデンティティのすべてを剥ぎ取られる極限状況のもとで
存在の原点を凝視し、神谷美恵子の言う「極限のひと」として文学
の根源を問いつづけた。燦然と光を放つ各々の作品を、気鋭の研究
者がそれぞれの「深き淵」を共有しつつ読み解く、渾身の評論集。
「島比呂志からの手紙」(新潟日報連載)120枚を増補、13年振り新版!
 
「熾烈な運命と対峙し、歌集『白猫』を残した歌人・明石海人と、小説『海の沙』『奇妙な国』など人間の極限の実存を刻んだ作家・島比呂志の生涯を通して文学を論じた得難い書である」(評者=麻生直子さん、しんぶん赤旗2017年2月26日号)


目  次

はじめに

海の蠍 明石海人への旅
11 
I「癩」であること
12 
 1 宣告――「癩に堕ちし身」
12 
 2 懊悩――「人の世の涯とおもふ」
23 
 3 新生――「命のはての歌ぶみの」
40 
II 歌集『白描』の世界
60 
 1 第一部「白描」
61 
 2 第二部「翳」
76 
 3 海人の歌
87 
人間への道 島比呂志の地平
99 
I 「人間」として
100 
 1 元凶
100 
 2 挑戦
117 
 3 回復
149 
II 囚われの文学――島比呂志を読む
164 
 1 『奇妙な国』――もう一つの国の住人として
165 
 2 『女の国』――断ち切られた性
182 
 3 『海の沙』――訴える文学
194 
 4 『ハンセン病療養所から50年目の社会へ』――島比呂志のその後
206 
島比呂志からの手紙 「らい予防法」を越えて
213 
 島比呂志との交流
214 
あとがき――旅の終りに
279 
増補新版へのあとがき
281 
参考文献
283 

山下多恵子 [やました たえこ]
1953年、岩手県雫石町生まれ。高校教諭を経て、現在長岡工業高等専門学校非常勤講師。国際啄木学会理事。日本近代文学会会員。『北方文学』同人。著書に本書『海の蠍』のほか、『忘れな草』、『裸足の女』、『啄木と郁雨』、編書に『土に書いた言葉*吉野せいアンソロジー』『おん身は花の姿にて*網野菊アンソロジー』(未知谷)がある。

小社刊の山下多恵子の著作物
[海の蠍(さそり) 明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜] (旧版・品切れ)
[忘れな草 啄木の女性たち]
[裸足の女 吉野せい]
[啄木と郁雨 友の恋歌 矢ぐるまの花]
[朝の随想 あふれる]
 
小社刊の山下多恵子関連の著作物
[土に書いた言葉 吉野せいアンソロジー]
[おん身は花の姿にて 網野菊アンソロジー]


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増補新版 海の蠍 (さそり)
明石海人と島比呂志 ハンセン病文学の系譜

山下多恵子 著
2,500円(税別)

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