未知谷の刊行物【国内文学】



 
「烏の北斗七星」考 受容する“愛国”
「烏(からす)の北斗七星」考
受容する“愛国”

澤井繁男 著
四六判144頁 1,600円(税別)
ISBN978-4-89642-195-8 C0095



二十歳の頃より透析を受け〈いのち〉〈肉体〉〈死〉に
真摯に向き合わざるを得なかった著者が
わだつみのこえの一文を契機に
宮澤賢治、武田泰淳、梶井基次郎、野間宏を読み解き
「愛国」の意味を問う――

 
宮澤賢治「烏(からす)の北斗七星」(『注文の多い料理店』所収)
烏の大尉は敵山烏を憎むことができない。
戦う動機を見いだせない大尉は、マジエル様(北斗七星)を仰ぎ祈る。
「どうか憎むことのできない敵を殺さないでいゝやうに
早くこの世界がなりますやうに」
 
特攻隊員として沖縄で散った東大の経済学徒は、
入団当日の夜、「烏の北斗七星」に触れ、日記を閉じた――。
「……宮沢賢治の烏と同じようなものなのだ。
憎まないでいいものを憎みたくない、そんな気持なのだ」(『きけわだつみのこえ』より)


目  次

まえがき

I 愛国の理不尽――宮澤賢治「烏の北斗七星

  「烏の北斗七星」宮澤賢治
25 
II 人肉を喰らう――武田泰淳「ひかりごけ」
35 
III 〈いのち〉を燃焼す――梶井基次郎短篇群
51 
IV 〈独り〉を生きる――野間宏「暗い絵」
113 
あとがき
137 

澤井繁男 [さわい しげお]
1954年札幌市生。東京外国語大学卒、京都大学大学院修了。イタリア・ルネサンス文化専攻。小説に『旅道』『時計台前仲通り』(編集工房ノア)、『鮮血』『一者の賦』『天使の狂詩曲』(未知谷)他。文芸批評に『生の系譜』(未知谷)。エッセイに『京都の時間。京都の歩きかた。』(淡交社)、『腎臓放浪記』(平凡社)他。イタリア関連書に『ルネサンスの知と魔術』(山川出版社)、『ルネサンス』(岩波書店)、『マキアヴェリ、イタリアを憂う』(講談社)他。翻訳にガレン『ルネサンス文化史』(平凡社)、カンパネッラ『ガリレオの弁明』(筑摩書房)他。現在、関西大学文学部教授。博士(学術)。

小社刊の澤井繁男の著作物
[鮮血]
[一者の賦]
[文藝批評 生の系譜 作品に読む生命の諸相]
[天使の狂詩曲]
[外務官僚マキァヴェリ 港都ピサ奪還までの十年]
[八木浩介は未来形]
[三つの街の七つの物語]
[安土城築城異聞]
[北区西ケ原 留学! できますか?]


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「烏(からす)の北斗七星」考
受容する“愛国”
澤井繁男 著
1,600円(税別)

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