未知谷の刊行物【国内文学】



 
一者の賦
澤井繁男 著
四六判256頁 2,400円(税別)
ISBN4-89642-111-6 C0093



生きてある歓こび、希望の糧を求めて
北海道から京都、イタリア各地へと遍歴する男の物語
 
何に歓こび、何に充足するのか――錬金術や占星術を貫く一者、森羅万象にあまねく顕現するカミを見た男は、人々に生きる歓こび、希望を賦与する可能性を感じて新しい宗教を興こした。教団は成功するが、男の内面には故郷サロマ湖に吹きつけるシベリアの寒風が、オホーツクの怒濤が迫り来るのだった……
 
錬金術の基となった三つの思想、エジプトの冶金術、ギリシアの自然哲学、ヘルメス思想は、実証的な知見の高いアラブ世界で完成し、十二世紀頃西欧に伝えられます。これを「十二世紀ルネサンス」と言い、西欧文化の基幹となりました。錬金術師は自然を生き物とみなし、自然に生死や成長や力を求めました。胎児が母親のお腹の中で育つように、金属も地中で成育すると考えたのです。大切な理念が三つあって、天上界と地上界の照応・感応という〈万物統一〉の理念、森羅万象の源であるカミは「一者」と呼ばれ「一者」の分身が万物に宿りまた還るという円環の考え、三つめは精霊の存在です。精霊は天地間を自由に往き来して世界に満ちており、事物に滲透しそれをそのものとして実現させる天地間の絆です。精神と物質をつないでいるのです……(本文中のメタフィクション「賢者の石」より) ⇒[書評]


目  次

第一章 消えた教祖
姿子と兼美/荒神口/出会い/教堂/目撃

第二章 入信
来訪/貴江と舞花/神酒の粋やすらぎの舎/希望信心会/入信/教堂前
47 
第三章 木星の風
姿子、京都へ/宗教学問所/太陽と惑星に寄する賦/紫野門前緑町
99 
第四章 愚者の石
再会/錬金術――「賢者の石」/愚者の石/手記「愚者の石」/迷い
141 
第五章 イタリアの秋
ローマへ/ヴァティカン/風呂敷包み
179 
第六章 金属の詩
金属の詩/手写
199 
第七章 来訪者
来訪者/偽善
219 
終章 希望は育まれり
235 

澤井繁男 [さわい しげお]
1954(昭和29)年、札幌市生。
東京外国語大学卒業。京都大学大学院修了。博士(学術)。イタリア・ルネサンス文化専攻。
小説「雪道」で、北方文藝賞受賞。
南イタリアの自然魔術の研究・紹介で、地中海学会ヘレンド賞受賞。
主な著作品に、『旅道』『時計台前仲通り』(編集工房ノア)、『実生の芽』(白地社)、『鮮血』(未知谷)、『ルネサンスの知と魔術』(山川出版社)、『魔術と錬金術』(ちくま学芸文庫)、『イタリア・ルネサンス』(講談社現代新書)、『ルネサンス』(岩波ジュニア新書)、『ナポリの肖像』(中公新書)、『マキアヴェリ、イタリアを憂う』(講談社選書メチエ)、『臓器移植体験者の立場から』(中央公論新社)、『誰がこの国の英語をダメにしたか』(NHK出版)などの他、著訳書多数。
現在、関西大学文学部教授。

小社刊の澤井繁男の著作物
[鮮血]
[文藝批評 生の系譜 作品に読む生命の諸相]
[天使の狂詩曲]
[「烏(からす)の北斗七星」考 受容する“愛国”]
[外務官僚マキァヴェリ 港都ピサ奪還までの十年]
[八木浩介は未来形]
[三つの街の七つの物語]
[安土城築城異聞]


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冊数
一者の賦
澤井繁男 著
2,400円(税別)

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