未知谷の刊行物【海外文学】



 
四季
ミハイール・プリーシヴィン 著 / 岡田和也 訳
四六判上製160頁 1,800円(税別)
ISBN978-4-89642-627-4 C0097



露西亜では「春の最初の月」とか「夏の最後の月」
といった表現が日常的に使われるようです
鳥は去り獣は眠り野も森も溶暗していく秋を四季の終幕
大地を雪で包んで新たな萌芽を待ち焦がれる冬を
四季の序幕とする、そんな露西亜特有の感性の
12ヶ月それぞれの自然を謳う168の掌篇
 
人に擬すれば、春の四月の日は、乙女が《諾(ダー)》と告げる日。自然も《諾!》と告げ、それから緑が甦ります。
自然のその日は、人間のその日と同様、魁いなる能に盈ち、攫める處が有れば、大地を覆せます。
気の弱い恟々した少年が、何か訊ねました。乙女は、何も応えず、ただ深く頭を低れました。彼が、もっと恟々して訊ねると、彼女は、もっと深く頭を低れました。そして、彼が、竟に己に打ち剋ち、相手の肩に手を置き、相手の方へ身を屈め、更に何か囁くと、彼女は、赧らんだ面を上げ、相手の首に抱き附きました。
四月のその一轉瞬に、凡てが、緑に染まり始め、私たちの今日は、その日であり、乙女が、誰かの首に抱き附き、それが、彼女の《諾》なのでした。今日は、自然が、私たちに《諾!》と応え、周圍の凡てが、緑に染まり始めました。
(本書「四月の日」より)


目  次

一月 仲冬(2篇)

二月 晩冬(5篇)

三月 初春(17篇)
14 
四月 仲春(41篇)
27 
五月 晩春(23篇)
66 
六月 初夏(9篇)
82 
七月 仲夏(17篇)
90 
八月 晩夏(8篇)
104 
九月 初秋(12篇)
111 
十月 仲秋(17篇)
120 
十一月 晩秋(14篇)
133 
十二月 初冬(3篇)
146 
訳者あとがき
149 

ミハイール・プリーシヴィン [Михаил Михайлович Пришвин]
1873年、露西亜西部のオリョール県(現リーペツク州)の商家に生まれ、早くに父を亡くす。中学を放校になった後、革命運動で逮捕、投獄(1年)、流刑(2年)。独逸のライプツィヒ大学で農学を学ぶ。1907年、「人怖ぢしない鳥たちの国で」、翌年、「魔法の丸麺麭を追って」を発表し、作家活動へ。各地を放浪し、多くの紀行文(オーチェルク)、童話、小説、随想を執筆。「露西亜の自然の歌い手」と称され、自然を骨肉の目で捉える作品は、万物への愛と共生の詩学に貫かれている。1954年、モスクヴァで逝去。「鶴の里」「狐の麺麭」「自然の暦」「大地の目」「太陽の倉」「朝鮮人蔘」「アダムとイヴ」「黒いアラブ人」「ファツェーリヤ」「カシチェーイの鎖」「ベレンヂェーイの泉」「見えざる城市の辺りで」などの作品の他、半世紀に亙る厖大な日記がある。邦訳に、『裸の春 ― 1938年のヴォルガ紀行』(群像社)、『巡礼ロシア ― その聖なる異端のふところへ』(平凡社)、『森のしずく』『ロシアの自然誌 ― 森の詩人の生物気候学』(共にパピルス)、『森と水と日の照る夜 ― セーヴェル民俗紀行』『プリーシヴィンの森の手帖』『プリーシヴィンの日記 1914―1917』(以上成文社)、以上いづれも太田正一訳。『朝鮮人蔘』『西比利亜の印象』岡田和也訳(未知谷)。
 
岡田和也 [おかだ かずや]
1961年浦和市生まれ。早稲田大学露文科卒。元ロシア国営放送会社「ロシアの声」ハバーロフスク支局員。元新聞「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」翻訳員。著書に『雪とインク』『ハバーロフスク断想』(未知谷)。訳書に、シソーエフ著/パヴリーシン画『黄金の虎 リーグマ』(新読書社)、ヴルブレーフスキイ著/ホロドーク画『ハバロフスク漫ろ歩き』(リオチープ社)、アルセーニエフ著/パヴリーシン画『森の人 デルス・ウザラー』(群像社)、シソーエフ著/森田あずみ絵『ツキノワグマ物語』『森のなかまたち』『猟人たちの四季』『北のジャングルで』『森のスケッチ』、レペトゥーヒン著/きたやまようこ絵『ヘフツィール物語』、プリーシヴィン著『朝鮮人蔘』『西比利亜の印象』(以上未知谷)がある。

小社刊のミハイール・プリーシヴィンの著作物
[朝鮮人蔘]
[西比利亜の印象]
 
小社刊の岡田和也の著作物
[雪とインク アムールの風に吹かれて 1989〜2011]
[ハバーロフスク断想 承前雪とインク]
 
小社刊の岡田和也関連の著作物
[ツキノワグマ物語 極東ロシア・アムールの動物たち]
[森のなかまたち 極東ロシア・アムールの動物たち]
[猟人(かりうど)たちの四季 極東ロシア・アムールの動物たち]
[北のジャングルで 極東ロシア・アムールの動物たち]
[森のスケッチ 極東ロシア・アムールの動物たち]
[ヘフツィール物語 おとぎばなしの動物たちとふたりの女の子の
友情についてのたのしくておかしくてほんとうのようなおはなし
]


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冊数
四季
ミハイール・プリーシヴィン 著
1,800円(税別)

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